弟くんの後輩Mくんのお話しです。
中学生の時に体調を崩して学校に行けなくなり、起立性調節障害と診断され、中学は殆ど行けなかったとのこと。
学校に行けなくなった自分にショックを受けて、精神的に追い詰められ、後半はうつ病になったと話してくれました。
でもね、高2になった今はめちゃくちゃ元気に活動しています。
起立性調節障害って、そもそもの診断が曖昧だし、原因は千差万別なので回復過程も様々だけど、Mくんみたいなパターンもあるんだと言うことで、貴重なODっ子の経験談をここに紹介させて頂きます。
何の治療もせず、ひたすら寝ていたMくん
Mくん曰く、起立性調節障害と診断された後も、とくに病院通いをするわけでもなく、治療らしい事は何もせず、ひたすら寝ていたそうです。
学校でいじめがあったわけでもなく、学校に行きたくなかったわけでもないけど、とにかく体調悪くて起き上がれなかったと。
このセリフは、ODっ子が皆言うセリフですよね。
もう何十回と聞いてきたことか。
起立性調節障害は、成長期に伴う栄養不足と言われていますが↓
赤ちゃんの時から思春期まで成長し続けており、成長に栄養が使われるため栄養の貯金が少ないのが当たり前です。
そして思春期に背が急激に伸びるので、一気に栄養の貯金を食いつぶしてしまい、エネルギー産生がうまくできなくなって朝起きられなくなるわけです。
心を安定させるセロトニンややる気を出させるドーパミンなどの脳内神経伝達物質の合成も栄養不足のためにきちんと合成できなくなるので、意欲の低下や気分の落ちき込みなどの精神症状もでます。
世間で言われている自律神経の乱れによる血圧調節異常が起立性調節障害の原因ではありません。 単なる栄養不足なのです。
そのため男子の場合、成長が止まれば栄養が成長に使われなくなり栄養の貯金が自然と増えてくるので自然に治ってくるケースが多いです。
引用:岡山gdmクリニック
Mくんの場合、まさに、この典型的なパターンだったのかなと思います。
病院通いをせず、食事を改善したわけでもなく、時が解決してくれたパターン。
起立性調節障害の親の会に行って話しを聞いていても、このパターンで良くなったという話しも、よく耳にしました。
我が家とは違い過ぎて、羨ましくもありますが、
改めて思ったのは、Mくんパターンで良くなる子も、我が家のようにアレルギーや他の原因で不調を抱えている子も、同じように「起立性調節障害」という病名で括られてしまう、いい加減さには苛立ちを覚えてしまいます。
十把一絡げ(じっぱひとからげ)にしないで、様々な原因がある事を理解してくれる医師が増えてくれたらと願ってやみません。
高2になった今はなんの不調もなし
M君は180cm超えで、がたいも良く、ネクタイしている制服姿は、高2とは思えないくらいの落ち着きある風貌。
Mくんが、先日我が家に遊びに来た時には、夜中にカップ麺なんか食べちゃったりして、朝の4時まで寝ないでお喋りして、それでも6時半には起きて、朝ごはんモリモリ食べて学校に行きました。
ODっ子だったなんて信じられないくらい、高2になった今めちゃくちゃパワフルに活動しています。
不登校時代の不調はもう何も残っていないのだそう。
ちなみに、、、
Mくんのカップ麺を少しもらって食べた弟くんは、見事にお腹壊して翌日ピーピー。
同じように起立性調節障害を乗り越えた子でも、この差ありです。
Mくんは、登校型の通信高校に通っていて、全日制と同じように毎日登校し、夕方は小学生の学童でボランティア活動。
そして、その後は居酒屋で22時までバイト!
凄くないですか?
そしてそして、こんなに忙しい毎日を送りながらも学校の成績は優秀。
部活もこなし、ネットビジネスもしていて、通信高校の学費を余裕で稼いでいる状態。
大学はMARCHを目指して頑張ってるのだそう。
凄すぎですよね。
通信高校の方がずっと手厚い
Mくんの話しを聞いていると、弟くんが通っている私立の高校なんかより、ずっと手厚くていい学校だなと思いました。
Mくん曰く、
「通信制に来てる子は、様々な理由ありの子達がきているから、全くやる気のない子もいるし、上を目指せるかどうかは本人次第」
「でも、(通信の高校は) 少人数制だから、凄く手厚くて、やる気のある子は先生が親身になってフォローしてくれる」
とのこと。
勿論、個々の学校や先生によりますが、「通信制に行って良かった」という話しは、今までも沢山耳にしてきました。
"いろいろな事情があってここに通ってる" という事を理解してくれているだけでも、大きな違いがあるように思います。
Mくんは、
「高校はやむなく通信になったけど、中学・高校とコケた分、大学はなんとしても名のある所に入りたい!」
と、将来を見据えてボランティア活動もはじめています。
自分で「鬱になった」と言うくらい、相当辛かった数年間だったと思うけど、それを乗り越えて、いまこんなにも輝いているMくん。
苦しかった経験があるからこそ、今元気に学校に通えていることや、友達と過ごす時間がどれだけ幸せなことか解るから、
それら全てが彼の原動力になっているのだと思います。
私も昔、OD先輩ママに言われた事だけど、
「学校なんか行かなくても全然大丈夫」
「勉強なんて、いつからでもやり直しがきくから」
「身体がしんどい時にまで、学校の心配なんかしなくていいの」
「とにかく体を休ませてあげるのが大事」
これは本当に実感しています。
不登校時代って凄く不安だけど、体が元気になってから、いくらでも取り返せるってこと。
うちのお兄ちゃんも、弟くんも、Mくんも、皆元気になってから、ちゃんと取り戻してる。
だから大丈夫!
元気になって輝ける時が、必ず訪れるって皆に伝えたい。
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