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母のつぶやき

「元気そうで良かった」の言葉がどれほど残酷なことなのか

投稿日:2017年4月4日 更新日:

私も気軽に使っていた言葉ですが、

「元気そうで良かった」
という言葉がどれほど残酷なものなのか、今まで知る余地もありませんでした。

この言葉をかけてくれる人は悪気なく言っている事は百も承知です。

久しぶりに会った人に特にかける言葉が見つからない場合、当たり障りなくかける言葉だったり、落ち込んでいる人を励ます意味で言っていたり、どちらにしても深い意味もなく使っている言葉だと思います。

けど、起立性調節障害で苦しんでいる子供にとって、この「元気そうで良かった」という言葉がどれほど残酷なものか、この立場になるまではわからないことでした。

私も子供も、どんなに辛くても外では頑張って気丈にしています。
知り合いのお母さんに会ったら「こんにちは」と挨拶だってします。
そんな姿を見て、
「元気そうで良かった」と言われた私達の心情としては、

「元気じゃないよ。今もやっとの思いで病院に行ってきた帰り道で・・」

「元気じゃないから、気晴らしに出かけてきたの」

そんな、言えなかった言葉を心の中でつぶやいてみたりします。

「理解してもらえてない」という寂しさが沸き起こり、
苦笑いをしてその場を立ち去り、悲しい気持ちを抱えて帰ります。

誰もが知っているような大変な病気だったら、そんな事言われないのかもしれません。わかりやすく心配してもらえるのかもしれません。

子供の中には、「元気そうに見えるのに、どうして学校に行かないの?」と思われたかなという、悲しい思いが残ります。

そういう思いを繰り返していくと、外に出るのも人目を避けて出るようになってしまいます。しまいには出かけられなくなってしまいます。

こんな些細な事で傷つくの?
と普通の人には理解出来ない事かもしれません。

だけど、自分の子供が起立性調節障害になって、学校に行けなくなって、食事も咽を通らなくなって、起きているのがやっとという状態の時には、こんな些細な事でさえも涙が出てきてしまいます。

今まで自分も使っていたこの言葉が、こんなにも無責任な言葉だったなんて、自分が味わうまでは知る事が出来ませんでした。

だから今は、

「元気にしてた?」と聞くようにしています。

元気だよ!と返ってくれば勿論嬉しいですが、元気じゃなかった時でも状況を聞いてあげる事が出来ますから。

キリツテイン

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