弟くんと病院の帰り道、
スーパーの駐車場に車を停めて、弟くんは助手席のシートを倒して横になってる。
急いで買い物を済ませ、窓から弟くんの顔をのぞきこんで車内に戻り、エンジンをかけたその時・・・
ラジオから流れてきたのが、絢香の『にじいろ』。
なくしたものを数えて
瞳閉ざすよりも
あるものを数えた方が
瞳輝きだす
あなたが笑えば誰かも笑うこと
乗り越えれば強くなること
ひとつひとつがあなたになる
道は続くよ
私、心を鷲づかみにされてしまって、
動けなくなってしまいました。
この曲が、絢香の歌声が、胸に刺さり過ぎて、
今までずっと抑えてきた涙が溢れてしまって、ハンドルを持ったまま号泣。。。
弟くんの前で初めて泣いてしまいました。
一番辛いのは弟くんなのに、母が泣いてる場合じゃないのに・・・
助手席にいる弟くんまでも静かに涙を流し・・・
2人で言葉なく涙してしまいました。
この歌詞の通りだね。
"なくしたものを数えるより、あるものを数えた方が瞳輝きだす"
ホントそうだね。
弟くんはいま毎日が苦しくて、体が思うように動けなくて、
こんなに辛い思いをしているのに、学校に行けない引け目を感じて、悪い事もしていないのに隠れたくなるような気持ち。
幼い心と体はいっぱいいっぱい苦しんで、ただ毎日時間だけが過ぎていく焦りを感じていたけれど・・・
弟くんは死ぬわけじゃない。
ちゃんと生きてる。
手も足もある。
目も見える。
その"あるもの"に目を向けたら、まだなんだって出来るじゃん!
って思うことができた。
弟くんが生まれてきてくれた時の、あの気持ち。
ただただ、「元気に生まれてきてくれてありがとう」って、幸せいっぱいだったあの時の気持ち。
そんな気持ちが溢れて、胸がいっぱいになって、涙になって、弟くんと一緒に泣いてしまったあの日。
私も涙を我慢してたけど、弟くんはもっと我慢してたはず。
スーパーの駐車場で、この曲が私たちの心に光を与えてくれた。
弟くんの手を握って伝わってくるその温もりが、愛おしさでいっぱいになった。
前を向いて歩いて行こう!
母と一緒に。
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