お兄ちゃん、さすがに疲れが溜まってきた様子。
いままでずっと家でまったり生活してたのに、海外に来て神経使って、重たいリュック背負って、毎日こんなに動き回っているのだもの、そりゃそうよね。。。
フィレンツェでは2泊の予定なので、やっと重いリュックを置いて身軽に観光出来る一日。
アカデミア美術館、ウフィツィ美術館と、メジャーな美術館を巡り、
念願だったイタリアンを食べたり、
昨日お世話になった日本食屋さんに行ったり、
充実した一日を過ごしている様子
それにしても・・・イタリアの物価は高すぎ
円安の影響もあるけど、この日の食事代合わせて9000円
お兄ちゃんには、「お金は気にせず食べられるタイミングでちゃんと食べてね」って言ってるけど、とにかく外食代がバカ高でビックリ。。。
日本も値上げ続きで大変って思ってたけど、ここはそんなの比じゃないくらいお高い
相変わらず現金は使わずにクレカだけで事足りる事がわかってきたので、この件は心配なくいけそう。
とりあえず、この日は何事もなく一日を終えられたので、私達も安心して眠る事ができました。
フィレンツェからピサに移動
次の日、この日はピサを観光してから、その後ナポリまで移動する予定。
フィレンツェ→ピサまで2時間の移動
ピサの斜塔を観光
ピサ→ナポリまで4時間半の移動
順調に行っても、ナポリに到着するのが20時の予定。
「この日、ちょっと無理し過ぎじゃない? 大丈夫?」
・・と、計画当初から心配していたのですが・・
まさかこんなに最悪な事態になるとは思ってもいませんでした。。。
お疲れマックスで、朝からテンション低めのお兄ちゃん。。。
とりあえずレトルトご飯を食べてアパートメントを後にし、
無事にピサの斜塔に到着。
凄い!凄い!
お兄ちゃんがピサの斜塔に居てる
ここは荷物を預ける所があり、身軽に観光する事が出来たらしいのですが、その荷物を受け取る時に、
フレンドリーなイタリア人が近づいてきて、明るく、
「これあなたにプレゼント♪」
と言ってブレスレットを渡してきたのを、よくわからずに受け取ると、
「実は私には小さい子供がいて・・少しお金をもらえない?」
という話し。
そういう事か!
「ごめん、お金持ってないんだ」
と断ると、怒ったようにお兄ちゃんの手からブレスレットを奪い取り、去っていったとのこと。
これがイタリア流の物乞いなんだ。。。
情報として知ってはいたものの、実際に体験するとやはりショックだったらしく、
「なんなんだよこの国は、、早く帰りたいよ」
・・と、動揺を隠せない様子。
世界を見るってこういう事よね、
ただ楽しく観光しているだけでは見えない部分に触れること。TBSの世界遺産で見ているだけではわからない、その国の現実を自分の目で見て知るということ。
元々、スリの多い国という事で警戒していたと思うけど、この出来事で更に警戒心が強くなって、誰を信じたらいいのかわからなくなっちゃった感じ・・・
ショックだったと思うけど、これが現実なのよね。。。
ピサからナポリへ
ここからナポリまで4時間半の移動が待ってます。
3時半の電車を予約しているから、その前に食事をしないといけないのに、なんと、「バタバタしていて食べられなかった」と。
なんで??
朝もろくに食べてないのに、ナポリ到着20時だよ??
けどね、これがお兄ちゃんなんですよねぇ。。。
そして車中から、
「乗り間違えたかも?」
「いや、乗り間違えてはなかったけど、乗り換え時間に間に合わなそう」
「まじで」
「乗り換えチケットが無効になったら買い替えるしかないよね」
「無駄にお金かかっちゃう。。」
「仕方ないよ、とにかく早くチケット買って次の電車乗らないと」
・・・
「チケット買おうとしたら親切な人が教えてくれたんだけど、また「お金」って言われた。。。」
また物乞いに会ったんだ・・・
やっぱり日本人には寄って来るんだね。。。
「もうホントやだ!親切と引き換えに「お金」って最低だよ」
ホントそうだよね。。。
日本がどれだけ安全で親切な国なのかわかるよね。。。
「チケット買えたけど、時間遅れてるらしい」
調べてみると、イタリアでは電車が遅れるのは当たり前らしく、それも、特に理由がなくても遅れるらしいんですよね。なので、20分くらいの遅れは日常茶飯事だそう。
なんなら、始発の駅でも遅延が起きるらしいので、日本人の感覚からするとあり得ないですよね。
という事で、お兄ちゃんが乗る予定の電車も遅延していて、これによりナポリへの到着時間は21時半となってしまいました。
到着時間がどんどん遅くなっていく
ご飯も食べてなくて、また宿を探さないといけないのに
ナポリ最悪の夜
今日こそは迷わず宿に行けるように、お兄ちゃんが電車に乗っている間に宿泊先に連絡してみると、
身分証明書を送れとか、残金を支払ってというメッセージが届いていました。
身分証明書なんてそう簡単に渡してしまっていいの???
他のホテルではそんな事言われないのに???
けど、それを送らないと宿泊先に入る暗証番号を教えてくれないらしいので、言われるままクレカでお金を払って、身分証明書を送って、宿に入る詳細を送ってもらいました。
けど・・・
お兄ちゃんがナポリに到着したのは22時近く。
昼が長いイタリアと言っても、22時ですから真っ暗です。
そんな時間に大きなリュック背負って歩いているだけで怖いのに、実際にお兄ちゃんがその場所に行ってみると、どれがその建物なのかわからない
Google mapのストリートビューで見た現地の写真がこれ↓
見るからに雑多な場所
こんな所を夜歩かせることになった事が、恐怖でしかありません
「詳しい行き方を教えて!」とヘルプを出しても、ただ住所を送ってくるだけで、何もヒントをもらえない、、、
そして、ここに来て判明したのが、お兄ちゃんの携帯が何故か繋がらないという事。
私達とはLINE通話で話してたから気づかなかったけど、どうやら電話が繋がってなかったらしくて、問い合わせ先に電話する事が出来ない状態
「もーどうしたらいいの?」
救いなのは、24時まで対応してくれるということだけ。
けど、時間は刻々と過ぎて23時。
しかも、お兄ちゃん朝から何も食べてない状態。
とりあえず、近くにあったピザやさんに飛び込んで腹ごなし。
私はその間も、メールでやり取りを続けるも、相手の人も現地にいるわけじゃないので、なすすべなく、とにかくお兄ちゃんが自力で辿り着くしかない。。。
迷っているうちにどんどん時間が過ぎて、このままでは、また時間切れになってしまう
24時になろうとしている時、お兄ちゃんの目の前にある扉がリモートで開けられた様子!
開いた!
そこから指定された7階まで上がってみると、1番という部屋番号がどこにも見当たらない。
もしかして、この建物じゃなかったの?
1番という部屋番号もなし、指定されたコード番号を入れるような物がない。
もうわからない・・・
力つきてしまうお兄ちゃん。
「もう無理。。。。」
イタリアの訳わからない建物の廊下でうずくまっているお兄ちゃんを想像すると居ても立っても居られない。。。
こんな所で夜を越すしかないの?
Help me!
とにかく助けてと、翻訳を駆使してメールで訴え続ける私。
「お兄ちゃん、もう一度建物の中探してみて!」
お兄ちゃんが最後の力を振り絞って探してみると、扉がもう一枚ある事に気づいて、1番見つけた!
コード番号も入れられた!
お兄ちゃんが部屋に入る事が出来たのは、すでに24時を過ぎていました。。。
良かった。。。
もう必死過ぎて、口の中がカサカサでした。
もう、、、
なんでこんな所予約してしまったんだろう・・・
お兄ちゃん、ホントごめん!
こんな怖い思いさせてしまってホントごめん!
「いいよ、もともとは俺が予約してたとこだし」
と。
ホテル選びをミスってしまったおかげで、お兄ちゃんの旅が怖い思いで塗りつぶされそう。。。
この後しばらく、私も放心状態で動く事ができませんでした。