中1と中2の2年間、寝たきりだったお兄ちゃんが受験する事になったのは、ある塾長の言葉がきっかけでした。
中3から学校に戻りたいという気持ちはあったものの、まだ丸一日体を起こしている事が難しい状態。車椅子生活で、自宅に訪問リハビリに来てもらっているような状態でした。
春休みの宿題も何も手を付けていませんし、正直勉強できるほど頭が機能している気もしません
だけど、学校に戻りたいお兄ちゃん。
という事で、ある塾の面談を受ける事になりました。
という内容の面談でした。
私は隣でこの話を聞いていて、起立性調節障害の事何もわかってないなぁ・・と思って、お兄ちゃんが傷ついていないかひやひやした気持ちで聞いてきました。一日起きているのも難しい状態なのに、こんな言い方するなんて全然分かってないと。
そして、その面談が終わった帰り道。
と
私が受けた印象とは真逆で、そんな風に受け取っていたお兄ちゃんのセリフに心底驚いてしまいました。
そうなんだ
お兄ちゃんが希望を持てたのなら良かった
本当に良かった
想像もしていなかった、塾長からの意外な言葉で、お兄ちゃんの完全なるやる気スイッチを入れてもらう事が出来ました
お兄ちゃんがこの2年間どんな状態だったのかもわからずに、こんな言い方されたら傷ついて凹むんじゃないかと思ったのが、まさかまさかの逆をいってやる気スイッチが入っちゃうなんて
多分、塾長の言葉に悔しさを感じつつも、「おまえなら出来るよ」の言葉が見事に刺さり、今からでも取り戻せる!という希望を持てた事が何より嬉しかったのだと思います。
この時の塾長のように、根拠なんかなくったって、子供にとっては認めてもらえたという事実がどれだけ大きな力となるのかを目の当たりにした出来事でした。
この後、復学を果たしたお兄ちゃんがその塾に行く事はありませんでしたが、あの時の塾長の言葉は一生忘れる事が出来ません。
この日から、「とにかく学校に行く」というのを目標に、お兄ちゃんの中学生活最後の一年が始まりました。
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