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兄: 中学生

起立性調節障害を乗り越え受験を目指した中3の1年間

投稿日:2019年4月4日 更新日:

「受験する!」と宣言し、周りを驚かせたお兄ちゃん。

中1、中2と寝たきりだったので、実質1年間しか通えなかった中学校ですが、
起立性調節障害で弱り切った体を引きずって受験を成功させた事が、お兄ちゃんの自信に繋がっていると感じます。

中3から復学したお兄ちゃんは、"とにかく欠席しない事"という事を目標に頑張りました。

午前中1時間出席→保健室→給食→午後1時間出席→保健室→帰宅

と、最初はこんな感じで無理なく、一日のどこかで横になって充電しながら過ごしました。車椅子ですから、登校は車での送迎です。
給食も間に合わなく、午後からという日もありました。

 

選んだ学校は無謀なチャレンジ

お兄ちゃんが選んだ高校は自宅近くの私立高校で偏差値55-58クラス。
図書館がとても充実していて、無垢材のこだわりで作られた本棚に囲まれたその空間に一目で魅了されてしまったようです。

お兄ちゃん
こんな所で勉強出来たらいいなぁ

塾長の言葉に続いて、2回目のやる気スイッチが入った瞬間です。

まずは目標にする高校の入試要項を調べ、一般受験は無理なので、単願推薦入学の条件を調べました。

5教科内申18以上で9教科に1がないこと、もしくは9教科内申30以上で9教科に1がないこと。
加算条件:英語検定において、3級取得は1点。準2級以上取得は2点
     漢検検定において、3級取得は1点。準2級以上取得は2点
欠席条件:3年次における欠席が原則6日以内
    (ただし、やむを得ない理由の場合は要相談)

オール3取れたとしても、あと3点足りない。
車椅子なので体育は見学なので、取れても2。
そうなるとあと4点足りない。
欠席日数が6日以内というのもODっ子にとってかなり厳しい条件。
そもそもオール3も取れるのか?

と、誰が見ても無謀なチャレンジ。
先日行った塾長の面談でも、「ここは無理だよ」とあっさり言われた所です。

そんな学校にどうして入学できる事になったのか?

 

目標を持てた事が大きな力に

学校に行くだけでやっとなのに勉強なんて出来るの?と思っていましたが、まず点数を稼ぐ為に6月の英検を受けるというお兄ちゃん。

いや、それはいかんせん無理でしょ。。。

と言っても、「受ける!」と意思を曲げないお兄ちゃん。

結果は・・・まあ当然というか不合格。
けど、点数の詳細を見ると合格ラインのギリギリの点数を獲得してる
家でもそんなに勉強している様子はないのに

学校に行くだけで精一杯なので、家に帰ってきてから勉強する余力も残っていないので、もちろん塾に行く余力などあるわけがなく、とにかく勉強は授業中に覚える!という姿勢で最後まで自力で頑張っていました。

「とにかく学校に行く」という事を日々積み重ねていくうちに、出席できる授業が増えてきて、目標が出来てから、人が変わったように生き生きとしてきたお兄ちゃん

 

最初の頃は「給食の時間何を話したらいいかわからない」と居づらそうにしていたのも、「周りの子がこんな話をしていたよ」と学校での様子も話してくれるようになってきました

そのうち要領を得てきて、大切な授業は這ってでも出席し、学活などの成績に関係ない時間はなるべく保健室で休む。(本当は学活だって大切な時間ですが・・)
こんな事を許してもらえるのも、担任の先生や保健室の先生、周りの生徒たちの理解がないと実現できなかったと思います。

その点お兄ちゃんは恵まれていて、周りの方に支えられ、お兄ちゃんの頑張りを応援してくれる流れがあったからこそ実現出来たのだと思っています。

家に帰ってくると、グッタリと死んだように寝ていましたが、いつの頃からか朝も早い時間に自分で起きられるようになってきました。

 

夏休み

受験の為の内申点数を稼ぐ為、漢検3級も受けると決め、お弁当を持って図書館に通うようになりました。(この時まだ車椅子)

さらに、夏休み明けにの9月にある修学旅行にも参加する!と決め、お婆ちゃんから登山用のストックを借りて、体を支えながら歩く練習も開始。

4月からたった5ヶ月ですが、凄い変化です

春まで寝たきりだったお兄ちゃんが別人のようです

修学旅行は京都・奈良。

一年半車椅子生活だった身体は筋力も衰えている上に、立ちくらみもあって短時間立っているのも難しいのに、修学旅行で長時間歩くなんて無理でしょ。。。。

という周りの心配もよそに、お兄ちゃんは立ち上がりました。

悲鳴をあげている膝にサポーターを付けて、痛み止めを飲み、整体に通いながら、お兄ちゃんは自力で頑張りたいと日々歩く練習を始めたのです。

 

そして二学期に突入

起立性調節障害でよく耳にするのが、頑張り過ぎてまた動けなり、反動でまた寝込んでしまうという話。そんな話をよく見聞きしていたので、お兄ちゃんの頑張りを手放しで喜ぶというよりは、常に不安が付きまとっていました。

実際に、夏休み中はグッタリしている事も多く、気力で奮い立出している感じだったので、二学期からも学校に行けるのか半信半疑。
せっかく頑張っているお兄ちゃんがまた倒れてしまった時に、今まで以上の挫折感を味わってしまう事の怖さが常に頭の片隅にありました。

そんな中、二学期始まってすぐに修学旅行。
先月歩く練習を始めたばかりで4泊5日の工程をこなせるのか、本当に自力で行けるのか、そもそも初日の朝、東京駅8時半の集合時間に間に合うように起きられるのか・・・不安しかありませんでした。

だけど、お兄ちゃんは有言実行

お婆ちゃんから借りた登山用のストックを握りしめ、京都・奈良の修学旅行に行く事が出来ました

全てのコースを歩く事は出来なかったけど、先生方の協力や友達の協力のお陰で、修学旅行を自分の足で歩く事が出来ました

私としては、いつ呼び出しがかかるか心配で仕方なかったですが、お兄ちゃん帰宅日に最寄の駅まで迎えに行くと、

お兄ちゃん、めちゃくちゃ頑張りました!!

という担任の先生の言葉で涙腺崩壊!

大号泣してしまいました。

お兄ちゃん、本当によく頑張りました

 

受験に向けてのラストスパート

修学旅行も無事終え、ここからは志望校の確定と最後の期末テストに向けてラストスパートです。

「あの図書館で勉強したい」その気持ち一筋でここまで頑張ってきたお兄ちゃんの気持ちが揺らぐことはありませんでした。

内申点を上げる為に努力していた漢検3級と、6月に落ちてしまった英検3級のリベンジは、なんとなんと両方合格
誰もが驚くべき成果です
これで内申点2点ゲット

しかし・・・

一番肝心な二学期の期末テストの日、お兄ちゃん発熱
目はうつろで38℃近い状態。普通の日だったら欠席確定の状態です。

だけど、推薦受験を狙う子にとっては、この日が受験と同じ。
期末テストの結果で、志望校に提出する成績が決まります。

お兄ちゃん
何も考えられないし字書ける気がしない
お兄ちゃん
だけど行く。どうしても今日は行く。

そう言って、最悪な体調で期末テストを受ける事になりました。
(コロナ禍の今からみるとあり得ない事だったと思います)

こんなに頑張ったのに最後の最後に発熱なんて・・・なんて不運なの

と、この時は泣きたい気持ちでしたが、お兄ちゃんの成績はオール3どころか4を取れた教科もあり、それにプラスして漢検・英検の点数も加点されてギリギリ推薦条件をクリア出来たのでした!

その後面接も頑張り、無事に今の高校に入学する事が出来ました。
そしていま、念願だった図書館で勉強しています。

 

最後に

何度も言っている事ですが、全日制の学校に通えた事が偉いと思っているわけではありません。

起立性調節障害との闘いで、お兄ちゃんも、親である私達も、全ての欲をそぎ落とされ、勉強や学歴なんて二の次、「元気でいてくれたらそれでいい」と心から思えるようになっていました。

嬉しかったのは、"お兄ちゃんが自信を取り戻し、自分で目標を見つける事が出来て、その目標の為に頑張る事が出来た"という事実。

この一年の出来事は苦難を乗り越えた事が大きな自信となり、お兄ちゃんにとって一生忘れられない宝物になったと思っています。

起立性調節障害の子ども達は、学校に行けなくなって焦りや絶望を経験し、諦めを覚え、生きている意味さえわからなくなってしまう子も沢山居ると思います。

そんな中で希望を見つけ、また立ち上がっていくというのは経験した人じゃないとわからない苦しみだと思います。そんな苦しみをずっと側で見ていたからこそ、お兄ちゃんのこの一年間の頑張りが本当に嬉しく、また、同じ起立性調節障害で苦しんでいる方の励みにもなれたらいいなと思っています。

正直、起立性調節障害になる前のお兄ちゃんは、こんなに強い意志を持って行動できる子ではありませんでした。勉強だって特に出来る子でもなかったです。ごくごく普通の中の普通。その子がこうして乗り越えられた理由は、"絶望を味わったからこそ希望を持てた事の喜び"という事が一番大きかったと思います。

普通に生きていたら気づく事のなかった、普通の生活の有難み。

一度どん底を見たからこそ、当たり前の日常の一つ一つが喜びであり、更には希望を持てたという事がどれ程嬉しかったか計り知れません。

あの時の塾長の言葉に心から感謝しています。

起立性調節障害の症状や治る時期は皆それぞれ違うと思いますし、お兄ちゃんの事例はそんな中の1例に過ぎませんが、「必ず抜け出せる時が来るから!」「今苦しくても絶対に諦めないで!」そう信じて欲しいと心から思います。

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