小さい頃から不器用だったお兄ちゃん。
だけど記憶力だけは凄かったんですよね。
人それぞれ得意不得意があって当然だし、成長スピードの違いがあって当然と思っていたので、私はあまり気にしてなかったのですが、
お兄ちゃん本人が生きにくさを感じるようになってから、アスペルガー、ADHD、自閉症スペクトラムなどが気になるようになり、様々な本を読み漁っていました。
だけど、どれもピンとくる感じがしなくて、数年前に受けた毛髪検査でも、アスペルガー、ADHD、自閉症スペクトラムの傾向がなかったので、「繊細さん」くらいの感じで捉えていたのですが、
先日の記事に書いたように、ギフテッドという言葉を知り、まさにお兄ちゃんに当てはまる事ばかりだったので、図書館でギフテッドの本を数冊借りて読んでみました。
私が借りた中で一番読みやすかったのは、こちら
ギフテッドの特性
この本によると、
ギフテッドとは高い知的能力を持ち、様々な潜在的可能性を秘めた「配慮や支援が必要な子供」と定義します。
と書かれていました。
そう!まさに、これこれ!って感じです。
ギフテッドって、あまり浸透している言葉ではないことと、ポジティブな呼び名のイメージから、「天才」的な印象を受けがちですが、ここに書かれているように、「配慮や支援が必要な子ども」という事なのですよね。
具体的に言うと、
本人が魅力を感じない事に対しては、「やらないといけないこと」といった説明だけではなかなか動きません。
例えば、ドリル学習のようなルーティンワークが嫌い。
覚えてるのに、なぜ書き取りや計算問題をしなければいけないのか?
「そんな無駄で退屈な事はしたくない」という言い分なんですよね。
もし私なら、
簡単な授業や問題=楽ちん♪ラッキー♪
と気楽に捉えるけど、
ギフテッドの子にとっては、
簡単な授業や問題=苦痛・苦痛・苦痛・・
となってしまうんですね。
これが私には理解出来なかった部分。
なので、今までずっと「誰もが皆、やりたい事だけやって生きているわけじゃないよ」「やりたくない事でも、やらないといけない事がある」と言い続けてきました。
例えば野球が好きな子が、野球選手としてプロになるまでには、ひたすらジョギングする日もあったり、ひたすら球拾いをする日もあったり、グランドの整備や、道具の手入れなど、楽しくない事だってあるわけで、それら全部ひっくるめて野球をやる為には大事な事で、精神力が強くなっていくんだよと。
それに対してのお兄ちゃんの反応は、
「そんな根性論みたいな話しは古いよ」
と、一括されて終わり。
全く響かない感じでした。
こんな身勝手な事ばかり言ってて、どうやって社会で生きていくのか・・・本当に不安しかなくて、「そんな子に育てた覚えはない」と言いたいけど、
まだ成長の過程だし・・いずれ解ってくれたら・・と願いつつ、はや19才。
流石にこの年で、「こんなに協調性がないのはヤバいでしょ」と思ってしまうわけです。
だけど、それは私目線であり、お兄ちゃん目線で起きている事は全く理解が出来ていなかった事がわかりました。
ギフテッドを強みにする生き方
お兄ちゃんは本当にギフテッドなのか? の診断はしていないので、正確な判断ではありませんが、私達が知りたいのは、こういう特性を持ったお兄ちゃんとどう付き合っていったらいいのか? という事なので、
ギフテッドという言葉との出会いは、かなり大きな気づきの一つになりました。
親として、どうしてあげたらいいのか?
新しい情報を素早く処理したり、優れた記憶力を発揮する能力があります。
論理的な思考を好み、「なぜ?」「どうして?」と質問したり、調べたり、思索に没頭したりと、自分が関心を持ったことは粘り強く取り組みます。
いじめ環境問題、チェンダー、異文化、対立など社会問題や倫理的な問題に関心を示す人もいます。
感覚性スコアの高い人は、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚といった環境からの刺激によって生じる感覚体験が通常の人よりも強いことが特徴です。
ギフテッドの子供は環境が適していれば、自らの能力を発揮して問題なく行動できるのです。
強みへの配慮のポイントは、ずばり強みを存分に発揮できる環境を保証することです。
極論を言えば、弱みばかりが目立つのは強みが発揮できない環境にいるからで、それで「怠けている」「我慢が足りない」などと言われるとギフテッドの子供は本当にしんどいのです。
そうそう、お兄ちゃんも「なぜ?」「どうして?」の質問多かったなぁ。
環境問題、異文化、対立、歴史、政治、宗教、哲学などの社会問題や倫理的な話しが大好き。
- ある分野で才能があっても全ての分野で才能があるわけではありません
- ギフテッドの子供は高い能力がある。ゆえに問題の兆候が隠されたり、誤解されたりすることがあります
- 全てのギフテッドの子供が同じ特性があるわけではなく、社会性や感情の現れ方が皆さん異なります
- 子供の感情を保つための唯一無二の方法は存在しません
- ギフテッドの子供のストレスや不安を軽減するためには、保護者が模範として感情のバランスを維持し、方向性を示すことが求められます
- 私たちは、子供たちに人生の浮き沈みに対処する方法を教え、手段を提供することができます
全米ギフテッド協会ホームページより引用
ここに書いてある事って、ギフテッドと限らず全ての子どもに当てはまる言葉ですよね。
どんな子も得意不得意があるように、その凸凹を無理に平坦にしなくていい。得意な事を伸ばしてあげたらいい。
親の関わり方としては、ギフテッドの特性について普通になるよう繰り返し叱責してしまったり、訓練を強要してしまったりすると精神疾患になってしまう事もあると書かれていました。
強みを伸ばしてあげられる場所を一緒に見つけてあげる事が、私達親の課題なのだと思いました。
ギフテッドと発達障害の違い
ギフテッドと発達障害の違いについても書かれていました。
強みの裏返しで弱みが出ている場合、発達障害の特性と間違われやすいのですが、発達障害は脳の機能、または認知特性と環境との総合作業の結果として、発達障害の特徴は認められるので、同じようにギフテッドの子供に配慮支援をしてもうまくいかないケースが多いでしょう。
一人遊びをしているギフテッドの子供は人と関われないわけではないので、対人的な関わりへの支援をしてもあまり意味はありません。
ぼーっとして不注意に見える子供も、あれこれと、自分の興味なることを考えてるだけであって、ボーっとするのをやめさせたりすることで帰って子供が反発するかもしれません。
通常、何らかの発達障害の特性はどの人にもあります。
判断基準は、その強さと多さと一貫性にあります。
ギフテッドと発達障害を見分けるポイント
現実には強みの裏返しで出てくる弱みは、時として発達障害の特性と酷似していることがあり、結果として診断基準を満たしてしまうことで謝って診断されることは指摘されています。
特に間違われやすいのが、自閉症スペクトラム障害とADHD。
見極めるポイントは、
自閉症スペクトラム障害の場合
- 社会性の問題は人や活動によらず一貫して出現
- 共感や意図の理解に困難さあり
周囲が自分をどのように理解してるのか?自分の行動や問題をどのように理解するのかが難しい、もしくは独特の解釈をしている。
ADHD の場合
- 不注意や多動、衝動性の特徴が、家庭、学校、地域など様々な場面と活動に一貫して出現
- ADHDでは課題の存在そのものを忘れることが多い
ギフテッドの場合
- 知的水準の高い人同士の交流や、同じ興味関心を持つ人同士との交流は問題を感じない
- 共感や意図の理解に問題を感じない
共感力が高すぎて、あれこれと先読みしすぎたり、裏の裏まで読んでしまうなど、過剰適用の状態になってしまい、人間関係に強い疲労感を示したりすることあり。
自分の興味、関心のテーマに関しては、1人で長時間集中して取り込むことができるなど、不注意や多動衝動性属性が一貫して現れない。
興味関心がない課題に対しては、意図的に提出をしないやりたがらないといった行動が見られる。
まとめ
学校と相性が悪いと言われるギフテッド。
もしかすると、ただの優等生に見えるかもしれませんが、実際には外から来る様々な刺激にひたすら耐えていたり、誰にも理解されないことに孤独を感じていたのかもしれません。
そうして周りに合わせることで、たくさんのエネルギーを使って疲弊してしまっていたのかも。
なので親として出来ることは、一番の理解者になってあげる事
指導者になるのではなく、理解者になる事が何より大事と改めて感じました。
お兄ちゃんは今この本を夢中になって読んでいます。
古代文明の謎を解き明かす驚愕の新事実の数々。12カ国で出版され、空前の反響を巻き起こした全世界が注目するノンフィクション。
先日の内海聡先生の講演会で紹介されていた本ですが、我が子ながら、いったい何に響くのか皆目見当が尽きません。。。
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