強迫性障害を克服するためには、認知行動療法が有効と言われています。
強迫観念が起こり、気になって仕方ない事を繰り返してしまう行動を、止めてみる。
そうして強迫行為を我慢した事によって、少しづつ強迫観念に振り回される思考から解放されていくという認知療法です。
お兄ちゃんの場合、手洗いを我慢してみる。
これって・・・経験した人しかわからないと思いますが、本人にかなり強い意志を持って立ち向かう覚悟がないと、かなり難しい事なんですよね。
手洗いによって安心感を得ているお兄ちゃんにとって、その安心感を奪うという事は、不安を拭う方法がなくなってしまうという事なので、この認知行動療法を簡単に受け入れられないのもわかります。
もともとが周りから見たらたいした事じゃない事に囚われて、本人にしかわからない感情でグルグル思考になっているわけですから、言うは易し。本人が強い意志を持つような、何かキッカケがないと難しいと感じています。
家族として出来ること
このブログを見ている方の中には、お兄ちゃんがこれだけストレスを感じているのだから、学校から解放してあげた方がいいのでは? と思う方もいるかもしれませんね。
けど、18歳の子って、そう簡単に親のいう事を聞いてくれる年齢ではないので。。。もうかなり大人の思考になっている子が、自分の人生を左右するような事を親に決めてもらうような年齢ではないのです。
だから、行きたい大学も自分で決めて、その為に今苦しくとも頑張って乗り越えようとしている。
なので、この年齢の子に対して親が出来る事は、どんなに苦しくとも見守る事しか出来ない。。。
なんとも無力な感じがしますが、そんな事ないですよ。
生活を一緒にしている以上、母として家族として出来る事は沢山あります
- お兄ちゃんを丸ごと受け入れてあげられる事
- 苦しみを理解してあげられる事
- 美味しい物を作ってあげられる事
- 腸活、脳活をして体の中から元気にしてあげられる事
- 一緒に楽しい事を探してあげられる事
- 帰る場所があるという安心感を作ってあげられる事
- 昔の元気な頃のお兄ちゃんを知ってる事
などなど、出来る事いっぱいあります
下記で紹介した本に書かれていた事ですが、
強迫行為をしていない時、いわゆる "正気モード" の時間を増やしてあげる事が大事とありました。
それこそ、家族だから出来る事がいっばいありますよね。
信じる事のパワー
起立性調節障害の時もそうでしたが、強迫性障害の本を読んでいると、手洗いが止まらないから始まり、それがどんどんエスカレートしたあげく、お風呂から何時間も出れなくなってしまったというような最悪の事例も書いてあるので、このまま治らなかったらどうしよう・・という不安と絶望の気持ちにしかなりませんでした。
だから、どんな病気かというのがわかる程度に一読したら、あとはもうそんな本からは目を反らしちゃいます。
だって、お兄ちゃんの今の状態は本来の姿じゃない事を知ってるから。
学校でのイベントにも積極的に参加して、休みの日も返上で出かけて行ったり、何百人もの生徒の前で演説する事が得意だったり、友達と焼肉食べに行ったり、いじめられっ子を助けてあげたり、そんな風に過ごしていたお兄ちゃんを知ってるから。
とにかく私は私に出来る事を全力でしながら見守り続けていくだけです。
そして、強迫性障害になったのが意外なキッカケだったように、ひょんなキッカケで、強迫性障害が緩和されてくれたらいいなと思っています。
本の紹介
ある体験者の苦悩と快復した喜びの報告
ご自身が強迫性障害の症状に長年苦しまれた体験をもとに、克服までの道のりを詳しく書かれています。
強迫性障害を抱えている本人の頭の中ではどんな思考回路が沸き起こっているのかがよく解り、家族がどう対処したらいいのかを理解する事が出来ました。
実際に克服した方が書かれた内容なので、説得力あります。
何冊か強迫性障害の関連本を読みましたが、タイトル通り、この本は強迫性障害について一番わかりやすかったです。
様々な症状がある強迫性障害ですが、対処法は共通していて、いかに「気にしない」ようにしていくか。「言うは易し行うは難し」それが出来ないから苦労しているのだとは思いますが。
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