間違いない。これじゃ今まで苦しかったね。大丈夫良くなるよ。
こう言って診てくださったのは、漢方で飛び込んだ町の小さなクリニックのお医者様でした。
起立性調節障害と診断されてから漢方を飲んでいた時もあったのですが、変化を感じず途中で止めてしまっていました。けれど、ある方のブログを読んで「また違う漢方の病院を探してみようかな」くらいの軽い気持ちで訪ねていった病院でした。
飛び込みで入った病院で、さらに兄弟二人連れて行ってしまったのに、そのお医者様は今までの経緯をきちんと聞いてくださり、「これはちょっと長くなるな・・ちょっと待っててね」と言って、二つある診察室の片方に私達を待たせて、もう一つの診察室で他の患者さんを診察しては戻り、兄弟の診察と検査をしてくださいました。
血液検査・尿検査・レントゲン・それに加えて丁寧な内診。
お腹の触診も丁寧に診てくださいました。
兄弟揃って合計2時間。
もうこの時点でかなり感動してます。(*T.T*)
子供達が起立性調節障害というわけわからない病気になって以来、様々な不定愁訴を治してあげたくて沢山の病院に行きましたが、こんなに丁寧に診察をして頂けたのは初めてでした。
なので、冒頭の先生からの診断結果を聞いた時には驚いたのと同時に、「やっと見つけてもらえた」という安堵の方が大きかったです。
何度も何度も先生にお礼を伝えました。
プラセボ効果? 一時的に良くなった薬の効果
そのクリニックで出されたお薬は、尿量を増やしてむくみをとる降圧利尿剤と、狭心症や心筋梗塞、拡張型心筋症などで起こる心不全を改善するお薬でした。
兄弟揃って心臓弁膜症と診断されたので、2人共同じ薬の処方です。
飲みはじめて一週間くらいした頃、
起立性調節障害を克服して、100%の体力とまではいかなくても普通の高校生活が送れるようになっていたお兄ちゃんでしたが、
と、とてもスッキリした表情で言ってきました。
体の不調が一気になくなったなんて・・・
何年も重い体を引きずって頑張ってきたんだものね・・
これでやっと本当に必要な治療が出来て元気になれるね(*T.T*)
お兄ちゃんのこのセリフは今までの苦労が一気に吹き飛ぶくらいの喜びでした。
それなのに・・・・・・
まさか、この後に壮絶な悲劇が起きるなんて想像も出来るはずがありませんでした。
吐いて吐いて嘔吐に苦しんだ一ヶ月
お兄ちゃんから嬉しい言葉を聞けた数日後、
早朝、トイレに駆け込み激しい嘔吐に苦しんでいる姿がありました。
夕べ食べた物を思い出しても、お魚・もずく・モロヘイヤのお浸し・ポテトサラダ・お味噌汁と、アレルゲンになるような物は食べてないし・・・
吐き気止めも効かず、水を飲んでも吐き続けて、脱水症状の手のしびれが出てきてしまったので救急病院に駆け込み、点滴を打ってもらいました。
その時は病状だけ見て、急性胃腸炎との診断。
吐き気が強いので、座薬で吐き気止めを処方してもらいました。
翌日には吐き気もなくなり学校に行く事が出来たのですが、この原因不明の吐き気は、その後一ヶ月の間に何度となく襲ってきました。
吐き気はいつも早朝、一旦吐き始まると一日中収まらない吐き気です。
座薬も効きませんでした。
少し落ち着いた頃に、経口補水液やウィダーを飲ませるのですが、またそれがトリガーになって吐き始めるような状態。
一日中吐き続けた後は数日間食欲が落ちるので、もともと痩せていた体がまた更に痩せてしまいました。
お兄ちゃんは、昔拒食症になった事があるだけに、その時の事がフラッシュバックして怖くて仕方なかったです。
吐き気の原因はまさかの・・・???
お兄ちゃんが一ヶ月悩まされた嘔吐の原因は、まさかの便秘でした。
造影剤を入れてCTを撮ってもらったら、「かなり深刻な便秘です」との事。
便秘ですか? と、私が拍子抜けしたように言うと、
「便秘というと病気じゃないという風に思われてしまうかもしれませんが、便秘は万病の元なんです。第二の脳と言われている腸の動きが悪いという事なんですから。便秘が深刻になると手術する方もいらっしゃいます」
念のため、後日胃カメラでも検査して頂きましたが、何も問題は見つかりませんでした。
問題はどうして急にこんな深刻な状態になってしまったのか?
お兄ちゃんが吐き始めた時期と重なるのが、心臓弁膜症の治療として出されたお薬でした。
そう、利尿作用のあるお薬を飲んでいたのが原因です。
心臓のお薬を飲んで、久しぶりに体が軽くなったと嬉しそうに話していた直後に、こんなに苦しむ事になってしまうなんて・・・
訳もなく神様を恨みたくなってしまいました。(;_;)
この便秘が判明すると同時期に、セカンドオピニオンで行った心臓の専門病院で検査をした結果「弁膜症ではありません」との診断。
この一ヶ月の出来事はなんだったんだろう・・・
"初めてこんなにいい先生に出会えた"と喜び勇んだ日から、わずか一ヶ月の間に、喜び→苦しみ→落胆と、怒涛の変化に心がついていかず、しばらくは気持ちを立て直す事が出来ませんでした。
せっかく寄り添って頂けるお医者様と出会えたと思っていたのに、まさかの誤診で通う事も出来なくなり、また孤独な闘いになってしまったという寂しさ、
自分の判断や、その時々の選択が間違えていた為に、子供達を振り回して苦しめているだけに感じて、すっかり自信をなくしてしまった一ヶ月でした。