年末に受けた毛髪検査の結果が出ました。
数値一番左が、今回(19才)の結果。その右が18才、一番右が17才。
過去3年間のデータを並べてみました。
-1~0までは問題なし。-2は未病の傾向、-3以上からは何らかの症状が現れる傾向にあります。
一番右側17才の時のデータは高2の12月頃のもので、強迫性障害を発症し、学校辞めたいって騒いでいた頃のもの。
全体的な数値としては、3年前よりは良くなっているものの、やはりお兄ちゃんの特性や体質はそう変わってないなぁという印象ですね。
ホルモンバランス・心配・不安・環境ストレスが-2になっているけど、不安神経症・精神的ストレスは-1で、ほぼ問題ないレベル。
これって多分、個々の数値というより、全体を見て "こういう傾向" というのを読み解くのだと思います。
躁鬱病や、ADHD、PTSD、引きこもりの数値は、変わらず問題ないレベル。
ちなみに、弟くんがOD真っ只中の時には、"引きこもり"の数値-3、"自律神経失調症" -4と、納得がいってしまうくらい悪い値でした。
元々の弟くんは引きこもりの要素なんて全くない人なのにね。
お兄ちゃんが問題なのは、やはり腸管。
ここがずっと改善されないまま-2。そして今回は大腸炎と腸内常在菌も-2。
そして、この辺りの数値が軒並み悪くて、ストレスで消耗している事がわかります。
グルテン不耐は、頑張っているわりには-2のまま。
カゼインとイースト菌は問題なし。
不調の原因はSIBO?
今回の毛髪検査の結果、ナチュラルクリニック代々木で出された診断は、小腸内細菌異常増殖=SIBOの可能性ありとのことでした。
なかなか良くならないお兄ちゃんの体調を見て、クリニックが今回の検査項目を増やして見てくれた結果、腸内細菌異常増殖症候と、小腸が-2。
ここに原因が隠れていたのですね。
クリニックからのコメント腸内環境に炎症傾向が見られます。腸は、栄養の吸収だけでなく、脳内伝達物質の生成や免疫デトックス等を担っており、自律神経と連動しています。引き続き、小麦製品や肉の脂は極力控え、発酵玄米や魚、水溶性食物繊維等、腸内環境に合わせて和食中心の食事を摂りましょう。炎症を抑えるオリーブリーフやクマザサの補充も一案です。
そもそもSIBOとは?
SIBOは、小腸の中で、異常な数、異常な種類の腸内細菌が増える病態です。
腸内細菌は、腸内に生息する常在細菌のことを言いますが、小腸と大腸では環境が違うため、生息する細菌の種類や数も全く違います。
小腸は大腸とくらべて細菌数が少ないのですが、SIBOでは小腸の働きが停滞し、本来大腸に生息するはずの腸内細菌が小腸に入りこみ、そのまま小腸に留まって、爆発的に異常な増殖を起こしてしまいます。
増えすぎた腸内細菌によって、大量のガスが発生し、ほんの少し食べただけでもおかかがパンパンにふくれてしまうのが特徴です。また最近の研究では、過敏性腸症候群と考えられてきた人のうち、約85%はSIBOだったという報告もあります。
更には、健康と思われる人の腸を調べると、約30%がSIBOだったというデータもあります。
腸に良いはずの食事を続けて、お腹が張って苦しくなる人、胃酸が逆流する、ゲップが出る、下痢をする、食べても体重が増えない・・など思い当たる人は要注意かもしれません。
ナチュラルクリニック代々木: Clinic Newsより引用
このSIBOという病名は、まだ新しい概念であり、医師の間でも十分にはまだ知られていません。分子栄養学をやっている医療機関でないと、認知されていないようです。
ちなみに、リーキーガット症候群も総合病院では通じない病名でした。
SIBOの原因
SIBOの原因を調べてみると、「発酵食品の食べ過ぎ」とか安易な事を書いているHPもありましたが、もっと多岐にわたる原因があり、
こちらのHPに詳しく書かれていました。
少し、内容を抜粋させて頂くと、
小腸内細菌異常増殖症(SIBO)となる原因は、胃や腸などお腹に関わる病気やその手術後、糖尿病性神経障害、全身性強皮症、アミロイドーシス、甲状腺機能低下症等が原因となる腸管の運動障害となります。
大きく分けると、
- 腸の蠕動運動の低下
SIBOの病因は腸内細菌の乱れですが、「脳腸相関」と言われるように、私たちがストレスを感じていると腸の蠕動や知覚に異常をきたすケースがあります。- 消化機能の低下
糖尿病やパーキンソン病、甲状腺障害、膠原病などの全身性の疾患で腸の動きが悪くなり、小腸に飲食物の残りかすが停滞し、それを栄養分にする細菌が増殖します。- 腸内容の流れの障害
小腸の一部が狭くなったり、小腸の動きが低下することで、腸管内容物が腸管内に停滞する病気もSIBOを引き起こす原因の1つです。原因で多いのは術後の癒着で50〜80%といわれています。お腹の手術を受けたことのある患者さんは、腸と腹壁、腸同士の癒着がほぼ必ず起こります。- 薬剤
胃酸が減少することで、小腸の細菌を殺すことが出来なくなり、その結果、過剰な細菌が産生するガスによってSIBOを悪化させます。小腸内のガスの増加で、よけいに逆流性食道炎を引き起こすことがあります。ルークス芦屋クリニックHPより引用
お兄ちゃんの場合、慢性的にストレスが高い状態が続いたことで、腸内細菌のバランスが乱れ、腸管バリア機能が低下し、消化吸収の低下を起こして全身での炎症の原因となったのではないかと思います。
思い返せば、ODで最初倒れた時にも、すぐに腸が止まり便秘になったんですよね。ストレスを受けた時には、多かれ少なかれ腸に影響する事なのですが、お兄ちゃんの場合はゼロか100ってくらいにピタっと止まってしまう感じがしています。
SIBOの治療
SIBOの治療として指導されたのは、今まで腸活にいいと思ってやってきた事は一旦全て中止。つまり、発酵食品は控えないといけません。
基本的に、低FODMAP食が推奨されていますが、
Cedars-Sinai ダイエットというのがあるらしく、
この食事法は低FODMAP食ほど厳格ではありませんが、同様の原則に従って構成されていて、つまり、小腸内で消化されにくい食品を減らし、細菌がそれらを餌として利用できないようにしていくという方法です。
<Cedars-Sinaiダイエットの要点>
- コーンシロップ、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、スクラロースなどの甘味料を避ける
- 乳製品を避ける
- 豆、レンズ豆、エンドウ豆を制限する
- 1日に8杯の水を飲む
- 牛肉、魚、鶏肉、卵などのタンパク質を体に適したサイズで食べる
- 一部の炭水化物は問題ありませんが、体がそれらにどのように反応するかを観察する必要がある
- 適度な果物はOK
- でんぷん質のない野菜を食べる
- 適度なコーヒーとお茶はOK。ソーダは避ける。
Cedars-Sinai Dietでは、腸蠕動を改善するために蠕動促進薬を服用し、不十分な場合はベタイン塩酸など胃酸分泌を補助するような方法もも含まれます。
ルークス芦屋クリニックHPより引用
これらの食事をまずは3週間行い、炎症物質になる物(グルテン、カゼイン、砂糖、カフェイン、アルコール、添加物)を徹底的に排除し、増えすぎた腸内細菌の駆除に「オリーブリーフ」を摂取する事をすすめられました。
まとめ
今回の毛髪検査を受けて改めて思ったのは、やはり定期的に検査は必要という事。
腸内環境を整える為にと思って、あれやこれやと発酵食品を摂っていたのに、まさかまさかの小腸内細菌異常増殖症(SIBO)。
一生懸命やってきた事が裏目に出ていたなんて・・・こればかりは検査しないとわからない事でした。
なので、栄養療法をやっていくのであれば、理想は3ヵ月おき、長くても半年に一度はなんらかの検査を受けて、腸内環境をチェックしながらすすめた方が良いという事ですね。今回は深く反省です。
検査を受けるのは、出来れば栄養療法をやっているクリニックで、検査後のアドバイスを受けられる所がいいと思いますが、近くにそういうクリニックがない場合は、オンラインで診てもらえる所を探す手もあると思います。
それでも、もっと手軽にという方は通販でも販売されています。
毛髪検査に対して賛否両論ある事も知っていますが、実際に検査を受けている感想としては、その時の体の傾向がきちんと現れているのを実感していますので、やって損する検査ではない思いますよ。
何より、髪の毛をチョキンと切って送るだけなので、子どもの負担なしで出来るのは本当に助かります。