前回の記事で、『乳酸菌が病気を作る』を読んで衝撃を受けた話しを書きましたが、SIBOやリーキーガットを克服する為には、具体的にどんな対策をしていくべきなのか、まとめてみたいと思います。
目からうろこ!今までやってきた対策とは逆説
リーキーガットの対策でよく目にする方法は、
- 有害な菌を除菌する
- 消化吸収を助ける
- 乳酸菌などの有用菌を入れる
- 腸粘膜の材料や有用菌のエサをいれる
除菌しながら乳酸菌などの善玉菌を入れていくというやり方ですね。
ところが近年の研究では、
乳酸菌や酪酸菌が多いほど胃腸の具合が悪くなり、発ガンのリスクも高くなることが明らかになっているのです。
そこで、『乳酸菌が病気を作る』の著者 松原先生が提唱されているのは、
- 腸内ガスが出やすい食品を摂らない
- 硝酸態窒素の多い野菜を摂らない
- レクチンが多い食品を摂らない
- 悪い油を摂らない
これをディフェンシブフード(胃腸を守る食事)と名付けられています。
ディフェンシブフードが今までの常識と大きく違う点は、
- 腸内での異常な細菌を増やさないこと
- 増えてしまった細菌を減らしていくこと
善玉菌・悪玉菌関係なく、異常発酵している腸内細菌を徹底して抑えることに重点を置いているということ。
お腹の不調を整えるために必要と言われていた乳酸菌が悪さをしていたと言うのですから、今までの常識がひっくり返される内容でした。
この対策方法は、SIBOの治療で勧められている低FODMAP食とも違いますので、以下、『乳酸菌が病気を作る』から引用させて頂きます。
避けたほうが良いもの
腸内ガスが出やすい食品を摂らない
1. 乳糖
牛乳、チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなど
2. 果糖
バナナ、柿、桃、リンゴ、ミカン、果糖ブドウ糖液糖入りドリンクなど
3. レジスタントスターチ・難消化性デンプン
冷ご飯、タピオカ粉、タイ米など
4. 食物繊維
豆類全般、大豆製品(豆腐・豆乳・枝豆・煮豆・高野豆腐・もやし・おから・きな粉・厚揚げ・ソイプロテイン)、イモ類、玄米、雑穀、おから、玉ねぎ、ネギ、ラッキョウ、ニンニク、根菜(ごぼう、レンコン)、キノコ類、コンニャクなど
5. 人口甘味料
糖質オフ食品、ダイエット飲料、フリスクなどに添加されている、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、スクラロースなど
6. 発酵食品
キムチ・ぬか漬けなど
硝酸態窒素の多い野菜を摂らない
ほうれん草、小松菜、チンゲン菜、モロヘイヤ、春菊、ルッコラ、大根の葉、ニラ、青汁、緑茶(とくに玉露・抹茶)など
これらの野菜に含まれている硝酸態窒素は、胃内で発ガン性物質のニトロソアミンに変わって、胃ガンや大腸ガンの原因となる可能性があるとのこと。
また、すい臓のインスリンを分泌するβ細胞を破壊して糖尿病を引きおこす原因とも言われています。
とくに季節外れの野菜は、ハウス栽培で化学肥料(窒素肥料)をたっぷりと使われるため、硝酸態窒素が多く含まれる傾向にあるそうです。
レクチンが多い食品を摂らない
レクチンは、植物が捕食を免れるためにつくる「毒」ですから、穀物や豆類の外皮や芽に多く含まれています。
1. 豆類全般
大豆、小豆、レンズ豆、ヒヨコ豆、ナタ豆、インゲン豆など
2. ナッツ類
とくにカシューナッツ
3. 小麦
パン、パスタ、うどん、ラーメン、焼きそば、お好み焼き、餃子、麩など
4. 玄米・胚芽米・雑穀
キヌア、ヒエ、アワ、キビ、大麦、オートミール、ライ麦、オーツ麦、はと麦など
5. ウリ科
キュウリ、ゴーヤ、カボチャ、スイカ、ズッキーニ、冬瓜など
6. ナス科
トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモなど
※トマトやカボチャなど、皮をむいて種を除去して十分に加熱すればレクチンをなくせる方法もあります。
※味噌、納豆、醤油は発酵によってレクチンが消失しています。
悪い油を摂らない
マーガリン、ショートニング、紅花油、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、菜種油、キャノーラ油、グレープシード油
摂取した方が良いもの
『乳酸菌は病気を作る』の著者、松原先生が推奨しているディフェンシングフード(胃腸を守る食事)の基本は、
『白米ごはん・肉か魚・海藻入り味噌汁』
しかも、「消費カロリーの60%を白米ご飯で摂る」ことが理想的と書かれています。
「野菜が多い食事が健康的」という今までの常識とは逆説すぎて、にわかに信じがたいですが、
「ごはんの糖質は100%ブドウ糖で、果糖は一切含まれていません。ブドウ糖は脳のエネルギー源なので、足りなくなると低血糖症になり、脳が正常に機能しなくなり、運動機能や自律神経の働きも低下してしまう」
という事なので、ご飯をしっかり食べて、脳のエネルギー源であるブドウ糖を補給すること。そして、精神を活性化させる神経伝達物質に必要なタンパク質は、肉や魚から摂取し、野菜は少量だけ摂ればOKという教え。
推奨野菜: ブロッコリー、アボカド、キャベツ、大根、人参、レタス、もずく、ひじきなど。
グルタミン
- 胃腸の主なエネルギー源で、リーキーガットを修復するには不可欠。
1回5gを水に溶かして、1日2~3回摂るといいでしょう。グルタミンは熱と酸に弱いので、お湯で溶かしたり、クエン酸やビタミンCと混ぜたりしてはいけません。
グルタミン酸
- 昆布・鰹節・椎茸などから抽出されるダシ=「旨味成分」です。
グルタミンと同じくグルタミン酸にも胃腸の粘膜を保護・修復していく作用があります。
グルタミンと違って熱や酸にも強いので、料理に適しています。
グルタミンやグルタミン酸を適度に摂取していけばリーキーガットが修復され、腸から未消化タンパク質や腸内細菌が侵入しにくくなっていきます。すると徐々に「抗体」が減っていき、その結果アレルギーがおきにくくなっていきます。
グリシン
- ホタテやエビ、カニ、イカ、マグロなどに含まれる甘いアミノ酸です。
グリシンを就寝前に3g飲むと、肌の水分量が増えて肌バリアが強化されます。
そして肌質が良くなれば、皮膚からタンパク質が侵入しにくくなり、タンパク質の侵入が減れば「抗体」も徐々に減っていくのです。その結果、アレルギーがおきにくくなっていきます。
その他リーキーガットの原因になるもの
痛み止めの薬
- ロキソニンやイブプロフェン、ボルタレンやアスピリンなどといった痛み止めは、胃腸の粘膜を傷めて胃潰瘍やリーキーガットを引きおこします。
正露丸
- 正露丸の主成分であるクレオソートは、腸管壊死をおこす作用があり、リーキーガットの大きな原因となります。
漢方薬
- 「漢方薬は身体にやさしく、穏やかに効いて長期にわたって飲めば体質を根本から改善できる」といわれていますが、生薬の主成分であるアルカロイドは神経毒で、胃腸にダメージを与えてしまいます。
ランニング
- ランニングすることで腸管が揺さぶられると「腸温」が上がり、食事で摂取したタンパク質が未消化なまま腸から吸収されてアレルギーがおきてしまいます。
入浴
- 入浴で「腸温」が上がると、食事で摂取したタンパク質が未消化なまま腸から吸収されてアレルギーがおきてしまいます。ですので、入浴は食事の前にする方が望ましいとのこと。
交差アレルギーの可能性のあるもの
お兄ちゃんの場合は、
- シラカバアレルギーの交差反応のあるもの
リンゴ・桃・サクランボ・梨・イチゴ・梅・ビワ・アーモンド・スモモ・キウイ・セロリ・ニンジン・トマト・ジャガイモ・クルミ・大豆・ピーナツ・へーゼルナッツなど - カモガヤアレルギーの交差反応のあるもの
メロン・スイカ・トマト・ジャガイモ・バナナ・オレンジ・セロリ・キウイ・ピーナツなど
まとめ
SIBO・過敏性腸症候群・リーキーガットの修復には、乳酸菌製剤や乳酸菌のエサになるような食品を減らすこと。
- 腸内ガスが出やすい食品を摂らない
- 硝酸態窒素の多い野菜を摂らない
- レクチンが多い食品を摂らない
- 悪い油を摂らない
今まで良かれと思って続けていたことが、逆に悪化させていたとしたら、そんな不幸な事はないですよね?
我が家でも、反省点が沢山見つかりました。
ここ数年ずっと作り続けてきた発酵玄米とキムチ。
高いけど効果あると思って購入していた乳酸菌。お兄ちゃんの大好きな果物とお豆腐。
夏野菜のナス、トマト、ピーマン。カンジタ除菌に効果的と言われて作ったラッキョ。
これら全てが逆効果だったとしたら? とんでもない遠回りをしていた事になってしまいます。
とりあえず、今までのやり方で停滞しているのは事実なので、ディフェンシブフードを実践してみようと思います。